「菱野温泉の歴史history」の記事一覧

薬師館の始まり 仙石忠政と菱野温泉

元和三年(1617)

初代小諸領主・仙谷秀久の息子、2代目小諸領主・仙石忠政公の愛娘が病に襲われ、医薬が効かなく苦悩の日々を送っていた。

 ある日、この霊泉に目が向けられ、薬師に祈願を凝らして入浴すると、不思議にも日ならずして平癒した。

仙石家では大いに喜び、湯主・荻原家に対して「効験多いこの霊泉を、世に知らせざるは惜しきことなり」と、青銅五十貫文を賜り、薬師堂ならびに湯小屋を建てるよう言い渡した。 

湯主は、入湯者一人につき三文の入湯料を取り、うち一文を湯運上として上納することが定められた。

即ち、これが菱野温泉(薬師館)の営業開始の第一歩である。

参考出典:小諸市教育委員会発行 小諸市誌近現代篇より


菱野温泉の歴史history

穴観音

稲村龍洞 菱野温泉の始まり

 


菱野温泉の穴観音

今から1000年以上前、天慶の頃、摂津の音羽了源坊なる者が如来の霊告によって観音の洞窟いわゆる、【穴観音】に尊体を安置したと伝えられる。


稲村龍洞 菱野温泉の始まり

 

 

建久ニ年(1191年)稲村龍洞(いなむらりゅうどう)と呼ばれる馬宰士(ばさいじ)が戦により負傷し菱野にある洞窟に籠った。
夜、龍洞の枕元に光の中に如来の尊体が現れ、
「吾はこの草涌にあること二百余年誰一人として訪うものなく、只窟内荒廃して霊顕光明共に草律に埋らる。今吾は汝の正しき心と厚き信念を知る。依って汝に其の傷を癒する道を授けん。即ち此の南方四丁の位置に霊泉湧く、汝吾を彼の地に遷し、霊泉に浴さばその傷速に平癒すべし」
とのお告げをきき、不思議に思い付近を捜すと湧出する霊泉を発見した。
龍洞は早速霊泉に浴したところ、日ならずして平癒し以前より壮健な身体になった。

龍洞は大いに悦び、早速堂宇を建設して薬師如来の尊体をこの場所に鎮座した。